ある時期の食欲
ものすごく太った。
たぶん。…というのは、恐ろしくて体重計に乗っていないからだ。
女性にはありがちな悩みだと思うが、生理の1週間ぐらい前から、と〜ってもお腹が空く。
特に直前の3日前ぐらいから、いざ始まった後の3日間あたりが私はヤバい。胃袋がブラックホールと化したのではないかと思うほど、食欲が底なしになるのだ。
しかも。なぜかジャンクなものと、甘いものばかり食べたくなる。
もともと太りやすい私は、日頃は食事に気をつけていて、脂質と糖質の控えめなメニューにしている。おやつも、フルーツやヨーグルト、どうしても甘いものが欲しいときはプロテインバーなどにして、お菓子の類は週に2度ぐらいに留めている。
だというのに。
この時期は、サラダや蒸し鶏など、ヘルシーメニューがとにかく受けつけない。見ると気分が悪くなる。
日によってはご飯すら嫌で、マーガリンの塗ったパンだの、コロッケだの、唐揚げ、チョコ、ケーキ、ドーナツ、etc……。 日頃は絶対に口にしないようなものを、狂ったように欲する。というか、そういうものしか食べられなくなるのである。
よく甘いものが欲しいときはタンパク質が足りてないとかいうけれど、そんなことはない。
なぜなら普段から筋トレをしていて、タンパク質の摂取量はかなり多いほうだ。
かれこれ30年近く、生理と付き合ってきた
経験から察するに、この時期の食欲・偏食というのはおそらく理屈では解明できないと思う。
そもそも生理というのは、命を身籠るという、とても神聖な現象に関わるものなのだ。そんな神の領域に近いものを、人間ごときが説明できるはずがない。
ただそれにしたって、今回は食べすぎた。
一気にミスドのドーナツ5個は、さすがに調子に乗りすぎた気がする。
このまま永遠に食べ続けていたらどうしよう、と一抹の不安が胸をよぎる。『千と千尋の神隠し』の、千尋の両親が変じた豚の姿が、この時期毎回一度は頭に浮かぶ。
女性は痩せていなければならない、と、思っているわけではない。
けど暴飲暴食がいいはずはなく、肥満は万病のもとともいう。
以前は味の濃いものやインスタント食品が大好きで、すぐ太っては不健康なダイエットをする、ということの繰り返しだった。
その頃は、朝の寝起きがすごく悪く、冷え性がひどくて冬は湯たんぽを2つ布団に入れても眠れなかったし。生理に伴う頭痛・腹痛・吐き気は地獄のようで、肩凝りや腰痛もひどいからデスクワークの集中力も途切れがちだった。
けど食事制限をして、運動もし、ヘルシーな生活を心がけるようにしてからそれらが一気に解消されたのだ。
好きな物を好きなだけ食べられないのはつらい。
けど多少の我慢は体のためになる。そろそろ体調も落ち着いてきたし、明日からまたダイエットを頑張ろう。
日頃節制するからこそ、たまの外食やおやつが美味しく感じられる。
そしてそのとき、可愛い服を着て楽しめたらさらに嬉しい。自分が好きだと思える自分で、好きな物事を楽しめたらいいな、と思うのである。
