ゴリラ主婦の78ブログ~転んだ先に福来る~

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楕円形のハム

少し前のことなのだが、夫の弁当を作っているときに「ん?」と思った。

某メーカーのハムを使おうとしたところ、形がまん丸ではなく、楕円形になっているのである。

 

うちは弁当に必ず卵料理を入れるのだが、ハムエッグを作ることが多い。いろんな作り方があると思うけど、私の方法だと、まん丸でないとちょっとやりづらいのだ。

 

ちょっと困るな~。と思った。でも作れないわけではないし、たいしたことじゃない。毎日何千…いや、何万個ものハムが製造されているのだから、こうした型崩れみたいなのができても不思議ではないだろう。そう思って、特に気に留めなかった。

 

だが後日、同じメーカーのハムを買うと、また楕円形になっている。

さすがにこれはおかしい。型崩れのものができたとしてもごく稀だろうし、運悪く、それを二度も続けて引いてしまうというのは、ありえないのではなかろうか。

 

「なんでこんな形に…」と、しばらく考え、はっとした。

 

楕円形になっているんじゃない。小さくなっているんだ…!

 

原材料の高騰により、お菓子やパン、あらゆるものが小さくなっているというのは、ほとんどの人が気づいていると思う。山崎パンの薄皮シリーズが、5個入っていたのから4個に減ったことは記憶に新しい。

 

きっとロースハムも、ちょっとずつ薄くしたりして、微妙にコストを下げられていたのだと思う。そういえば、取るときに破れやすくなったと、以前から感じていた。

しかしそれにも限界があって、これ以上薄くできませんよ、というラインが必ずある。すると今度は、大きさを変えねばならなくなってきた。

 

が、ご存じの通り、ハムのパッケージというのは、ハムの大きさほぼぴったりに作られている。ハムをそのまま縮小させると、パッケージとの間に隙間ができる。そうすると、あのパッケージの形状にも意味があるだろうから、何かしら問題が生じるのだろう。買う側も「小さくなった!」と気づく。かといって、パッケージのサイズを変えるとなると、また別のコストが発生してしまう。

 

そこで、縮小させるのでなく楕円形にすれば、表面積を減らしつつも、横のサイズは元のパッケージとぴったりにできるわけだ。縦に隙間が生じるが、その程度は問題にならないのだろう。買う側も、使うまでは違和感に気づくことは少ない。私も気づかなかった。

 

「え~。じゃあこのメーカーのハム、これからもずっとこの形なの(涙)」

 

悲しかった。じゃあ別のメーカーのにしよう、と思って買ってみると、そっちは極限にまで薄くされていて、取り出すときにすごく破れる。

 

世知辛いなあ、と思う。

SNSで、カントリーマアムとキットカットを、数年前のと今ので大きさを比較している写真が載せられていた。小さくなっているとは気づいていたが、「え、こんなに!?」とびっくりするほど差がある。

 

値段が据え置きのまま小さくなっているならまだしも、値段が上がっているのに小さくなっている、というのはひどくないか? もちろんこれは、製造メーカーが悪いわけではないのだが。あちらは日々コストと販売価格で頭を悩ませているに違いない。

 

 

物価は上がり、商品は小さくなる。

となれば、お腹いっぱいになるために買う食品を増やさねばならなくなり、結果、出費がかさんでいく。

なのに、手取りは上がらない。給料が上がっても、税金も上がるので取られる分が減る。

 

独身だった頃、自分の手取りと生活にかかるお金を計算していて、「こんなんじゃいつまで経っても一人暮らしができないし、結婚したとしても子育てできない…年金も貰えるかわからないし、かといって貯蓄もあまりできないから不安だ…」と嘆いていた。

するとうちの両親が、

 

「何言ってんの。今の子たちって、すごい恵まれてるやん。子育て支援もあるし、高校はタダとか、いっぱい支援されてる。昔と違って安くていいものも沢山売ってる」

「若い頃は年金の心配なんてするもんじゃない!」

 

などと言う。

ええ~、そうかあ~?(汗)と思った。だって5年以上も働いているのに、手取りはちっとも増えていないし、ボーナスはむしろ下がっていく。今年こそは出ないんじゃないかと、毎回ハラハラしたものだ。

 

学生時代に抱いていた想像だと、独身実家暮らしのOLは、デパコスで顔を彩り、そこそこいい服を買い、ボーナスでヴィトンのバッグや財布を買うぐらいの贅沢ができていた。しかしいざなってみると、買うのはほとんどプチプラコスメで、服もそんなに高いのは買えない。ヴィトンのバッグなんてとんでもない。ボーナスの手取りはヴィトンのバッグの値段以下だ。

 

あれはドラマの中だけの話だったんだなあ…と思うようになったが、そうではなく、かつてはそんな時代が本当にあったのだ。

両親も最近、私たち以下の世代の不遇にようやく気づいたらしく、言う台詞が変わってきた。

 

「よく考えたら私らの世代はバブルだったし、ボーナスも無課税だったんだよね…」

 

な、な、なんて羨ましい話だ! と、ひっくり返りそうになる。

おまけにうちの母は保育士だったのだが、当時はそこそこ高給取りで、年に3回もボーナスがあったという(※理由は忘れた。また、すべての地域の保育士がそうだったわけではないと思う)

 

「そんなんでよく、私らのほうが恵まれてるなんて言ったね。私、8年も務めてるのに、ずっと手取り16万なんだけど…。海外に支店もある、そこそこ大きな会社なのに」

 

そう話すとまたびっくりされた。自分の給料を両親にいちいち教えていなかったので、まさかそんな薄給でずっと働かされているとは思っていなかったらしい。

 

「アンタらもそうだけど、今の子は可哀想だ」

 

と、母は言う。

また、

 

「前は孫の顔が見たいと思っていたけど、最近は逆で、いなくてよかったと思うようになってきた。こんな滅茶苦茶な時代に生まれて、生きていけるのか心配になる。アンタらは正解だよ」

 

とも言ってくる。

 

若い子に年金の心配をさせ、結婚や子育てしたくないと思わせ、さらにはお爺ちゃんお婆ちゃん世代に孫はいらないとまで言わせる今の日本、本当にどうなってしまんだ。いったいいつから、こんな貧乏な国になっていたのだろう。国民は真面目でよく働くのにわけがわからない。

 

9月から、また1392品目も値上げされると聞く。

原材料も上がっているだろう。ハムの楕円形がもっと横長っぽくなるのだろうか。米は買えないし価格は爆上がりしているし、日々のお弁当づくりに頭を悩ませる日が続きそうだ。