仮面の貴公子の誕生日
9月18日。
今日は『キン肉マン』に登場する私の大好きなキャラクター、ロビンマスクの誕生日だ。
うちの主人は、少年ジャンプでキン肉マンの連載を毎週読み、小学校でごっこ遊びをしていたという、いわば『ガチ世代』である。
一方私は、子どもの頃、夏休みの朝の時間帯に、しょっちゅう再放送されていたのを見ていた世代だ。ちなみに当時はドラゴンボールが大人気だった。
ドラゴンボールのキャラクターが、『かめはめ派』とか『ギャリック砲弾』とか、現実には絶対ありえない技ばかり使うのに対し、キン肉マンのキャラクターが出すのはプロレス技だ。実際にやろうとすれば無理なんだけど、「ちょっと頑張ればできるかもしれない…?」と錯覚させられる。そのせいか、技がキマると、本気で痛そうに見えるのが印象的だった。
今、キン肉マン完璧超人始祖編のアニメが放送されている。
この情報を知ったとき、主人は大喜びして、子どもの頃の思い出を色々と語ってくれた。
当時は社会現象と言ってもいいほどのキン肉マンブームが起こり、とにかく盛り上がっていたそうだ。
また、ジャンプ黄金期と呼ばれていた当時の連載陣には、誰もが知っている伝説的タイトルばかりが並んでいて、その中で毎週必ずキン肉マンから読んでいたと主人は言う。
私もキン肉マンは好きだったので、またアニメで見られるのは嬉しかった。
ただ、かなり幼い頃にとびとびで再放送を見ていたため(習い事などで見れない日もあった)、話の内容まで詳しく記憶できていない。
そこでサブスクを使って昔のアニメを見たところ、徐々にハマってしまい、文庫本をまとめ買いした。そしてドカンとハマってしまったというわけだ。
もともと私は、マッチョな男が好きである。
それも、余分な脂肪をしっかり絞った細マッチョではなく、筋肉の上にほどよく脂肪の乗ったムチマッチョが好きなのだ。
キン肉マンの筋肉の描かれ方というのはまさにそれで、私の好みドストライクである。
おまけに私は、顔の見えないキャラクターというのにも昔から弱かった。仮面ライダーなどの特撮は、変身する前のイケメン俳優よりも、変身した後の姿が好きだ。
こんなにも自分の好みを兼ね備えたキャラクターが大勢いる『キン肉マン』に、なぜずっとハマらずに生きて来られたのかがむしろ謎だとすら思う。
それにしても、子どもの頃に楽しんでいたコンテンツを、大人になってから読んだりすると、当時とは感じ方が違うのが面白い。
昔はキン肉マンのギャグの部分ばかりを楽しんでいた気がするが、今はシリアスな部分にこそ醍醐味があるとわかる。
昔はキン肉マンとテリーマンが好きだったが、今は完全にロビンマスクとウォーズマンだ。ウォーズマンの過去を描いた読み切りを読んだときは、いかにも先が読めるベタ展開のオンパレードだったというのに泣いてしまった。いやむしろ、ベタだからこそいいのだ。人というのは結局、『ベタに弱い』んだとつくづく思う。
新アニメが放送されることになり、声優陣も新しい面子に総入れ替えとなったが、声優さんが変わることをこんなにも好意的に受け入れられたアニメというのは、私には珍しいかもしれない。
どの声優さんも好きな人ばかりだし、イメージピッタリだ。
また、神谷明さんがキャストの中に入っていて、しかもカメハメ師匠の役というのも大きい気がする。宮野真守さんにキン肉マンを引き継いだというのが、アニメの中でも感じられて嬉しかった。
今日、誕生日を迎えたロビンマスクだが、彼はつくづく謎なキャラクターだなと思う。
振れ幅が大きいというか、ぶっちゃけどういう男なのかいまだによくわからない。結構ツッコミどころの多い人でもある。
それなのに格好よく見えるし、実際人気があるから不思議だ。
郷里大輔さんの演じるロビンは貫禄があって、皆を引っ張っていくリーダーという雰囲気が強かった。
一方、新キャストの小西克幸さんの演じる彼は、強い男の色気と上品さが際立つ。
残念ながら、今回は正義超人が活躍する直前でアニメが終了してしまう。
だが、こんな中途半端なところで終わるはずはないので、必ず2期が作られるはずだ。今回も凄く面白かったが、そちらのほうがますます楽しみでならない。
最終回が放送される日は、夕飯に牛丼を食べよう。
ロビンマスクの大好物だというキドニーパイは、申し訳ないが作れないし、正直食べたいと思えない…。代わりに今日はケーキでも買ってこようと思う。