ゴリラ主婦の78ブログ~転んだ先に福来る~

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和菓子のこと

子どもの頃から、和菓子はそんなに好きじゃなかった。

断然、洋菓子派だった。

ただ抹茶スイーツだけは好きだったので、抹茶アイスとかパフェ、プリンはよく食べた。でもそれらは結局、和のテイストを加えただけの洋菓子なので、和菓子の部類には入らないだろう。

 

大人になってから、饅頭や団子なども好きになったが、貰ったら食べるという程度だ。

自分で買うなら絶対洋菓子。

けれど3年ほど前、私の中の和菓子の地位をぐんと引き上げることが起こった。

 

コロナ感染だ。

 

 

当時はコロナ騒動の真っただ中で、外出規制がされていたし、みんな外へ行くときはマスクをしていた。

私も当然、マスクをしていたし、消毒もしていた。

在宅で仕事をしていたから会社へ行く必要はなく、スーパーへ買い物に行く以外は極力外出を控えた。

 

しかし、主人は毎日職場へ行っている。

その職場でコロナ発症者が出て、見事に感染してウィルスを持ち帰り、当然私にもうつったのだ。

 

そのときは本当に最悪だった。

遠方に住んでいる友達が用事で大阪へ来ることになり、会う約束をしていたのだ。それも、半年以上も前から約束していた。

 

しかし私がコロナになったことで、当然約束はオジャンである。

予約していた店にも断りを入れ、友達には謝り倒し…。発熱とのどの痛みと意気消沈から、私はほとんど布団から出られなくなってしまった。

 

だがすぐに、そんなことも言っていられなくなる。

症状が出てか3日後ぐらいすると、これまで経験したことのないほどのどが痛くなって、水も飲めなくなった。

 

とはいえ水分は取らなければ死んでしまうので、我慢して少し飲んだ。しかし食事は無理だ。とても食べられるものではないし、そもそもお腹が空かない。

 

そうして私は、生まれて初めて、1日じゅう何も食べないという絶食状態を経験した。

インフルエンザで高熱を出したときですら、ちょっとは何か食べていたというのに。

 

2日近く絶食が続き、やっと起き上がれるようになった頃には、当たり前だがすごく痩せていた。二次成長を経てから、一番痩せていた瞬間のように思う。

 

やっとのどの痛みはひいたけれど、次に襲ってきたのは味覚障害だ。

何を食べても苦みがあって、味もあまり感じない。お腹が空くので食べていたが、不快で仕方がなかった。

 

そんなとき、ふと、シャトレーゼで売っている黄身しぐれという和菓子が食べたくなった。

子どもの頃、家によく置いてあったので食べていたものだ。もう何年も食べていなかったのに、無性にそれが欲しくなった。

契約農場卵 黄味しぐれ (chateraise.co.jp)

 

家の近所にシャトレーゼがあるので、近所に住んでいる両親に頼んで早速買ってきてもらった。(私はまだ感染中だったので外出できず)

食べると、ほろっとした食感が心地よく、餡子の甘みを鮮烈に感じた。

苦味はなかったわけではないが、一番感じづらかったように思う。そこから猛烈に和菓子が食べたくなり、おはぎや大福など、熱が完全に下がるまでの間、毎日和菓子を食べまくった。

 

またその間、布団の中で日日是好日という小説を読んでいたせいもある。

映画にもなった作品だ。樹木希林さんが出演しており、少し前にそっちも見ていた。

 

若い女性が茶道を習う話で、その中で季節ごとのいろんな和菓子が出てくる。

読んでいると、餡子の甘みが口の中で再現されて、食べたいな~という気分にますますなった。

 

そこからすっかり和菓子にかぶれてしまい、体調がすっかりよくなってから、さらに『和菓子のアン』という小説も読んだ。

こっちは完全に和菓子が主役で、いわゆるデパ地下の和菓子屋さんの話だ。

読んでいてハッとしたのは、

 

『洋菓子には季節がない。ショートケーキもチョコレートケーキもモンブランも、一年中食べられる。でも和菓子は季節ごとに商品が移り変わり、その時期を逃すと来年まで食べられないものも多い。和菓子の味に、四季を感じられるのが魅力』

 

ということに初めて気づいたことだ。

 

それまで季節ごとのお菓子というと、桜餅と柏餅ぐらいしか知らなかった。

といっても、桜餅は年中スーパーに置いてあるし、夏に好まれるわらび餅だって年中ある。

 

でも実は、あのスーパーに置いてるわらび餅は、厳密にはわらび餅じゃない。わらび餅風の何かだ。本当のわらび餅にはわらび粉というものが使われていて、黒い色をしている。しかもわらび粉は大変高価なので、1パック78円なんていう値段では絶対買えない。

…といったことも、恥ずかしながらそのときようやく知った。

 

私の知らない和菓子ってこんなにあるんだ。

季節商品なんてチェックしなかったし、ましてやデパ地下で和菓子屋へ行くことなんてなかったから、知る機会すら持たなかった。

 

もっと和菓子を追求したい。

そう思って、体が回復してから、早速ひとりで嵐山へ日帰り弾丸ツアーを決行した。コロナのおかげで空いているから、すいすい色んなお店を回れてラッキーだった。

 

ご飯系は一切食べずに、ひたすら和菓子の店を回って食べる。

またそのときは、今よりも筋トレと食事制限を頑張っていたから、甘いものにとにかく飢えていた。苦しくなるまで甘い物を食べても、ちっとも気持ち悪くなんてならなかった。

 

以来、定期的に京都へ足を運んだり、デパ地下の和菓子屋を物色したりと、しばらく和菓子に凝る日が続いた。

最近はその熱も収まり、和菓子と洋菓子を半々に食べているといった感じである。

洋菓子には季節がないと先に書いたが、うちの地元にあるケーキ屋さんには、季節ごとに旬のフルーツを使ったケーキを出すため、ちゃんと四季があるのだ。

 

ちなみに、私が今一番気に入っているのは、大手デパートの多くが取り扱っている『仙太郎』という和菓子屋さんだ。

でもまだ行っていない店が沢山ある。難波にある人気のおはぎ屋さんには、大行列に並ぶ勇気がなくてまだ行けていない。今はまだ暑いから、寒くなったら一度チャレンジしようかと思っている。

 

 

ちなみに、いろんなお店のと食べてみてわかったことがもうひとつ。

子どもの頃からあまり和菓子が好きでなかったのは、いいものを食べていなかったからだ。

 

市販の安い饅頭などは、小豆や餅の風味を感じられるものが少ない。添加物をガンガンに入れて、大量の砂糖で味を誤魔化している。

本当にいい小豆を使っていれば、甘さ控えめでしっかりと美味しい。

 

もちろん、日々食べるものに高いお金は出でないから、普段は構わないと思う。私も、日頃はスーパーで78円の大福を買っている。

でもたまにはいいものを口にしたほうがよい気がした。

それに不思議と、本当の美味しさを知ってからのほうが、安い大福も美味しく感じられるようになったのだ。

 

いいものを食べるのが、結局のところ好き嫌いを減らしてくれるのかもしれない。

さあて、今日のおやつは何にしよう。